新社会人インタビュー Vol.2『インターンでは会社説明より本音を重要視していた』
学生の時から大手への就職を目指し、インターンや就活に力を入れていたという大手ゼネコンで働くS・Yさん。
地方の建築学生ならではの悩んでいたこと、実際施工管理職に就いて感じたことなどを伺いました。
インタビュー対象者プロフィール
【名前】 S.Y
【年齢】23歳
【最終学歴】高等専門学校 2020年卒
【所属】 大手ゼネコン
現在の仕事について
インターンによく行っていたので、ギャップはなかった
ー現在はどんな仕事をしていますか?
施工管理を行っています。
最近は、コンクリートの数量を量って業者や職人さんにお願いし、工事に立ち会うという作業を主にやっています。現場に配属されて2ヶ月目(取材当時)なので、OJTで先輩と回りながら教えてもらったり、雑務なども含めていろいろな経験を積んでいます。
(OJTとは、新入社員が先輩などから、実務経験を通じて教育を受けること)
ー実際に働いてみて就職前のイメージと違うと感じることはありますか?
学生時代、インターンによく行っていたので、ギャップはそんなになかったです。
良い面のギャップでは、ゼネコン=ブラックという印象があったのですが、今は働き方改革など、会社も良い方に動き始めていると感じました。
悪い面では、施工管理は3K(きつい、危険、きたない)とよく言われますが、実際働いてみて改めて、本当なんだなと実感しています。
施工管理側がちゃんとマネジメントしなきゃいけないことではありますが、「現場を歩いているとたまに、危険な場面に遭遇することがあります。」
汚い・きついでいうと、職人さんの手が足りなくて社員が重い荷物を運んだりすることもあります。汗をかくし、筋肉痛になるので、学歴が高い人はイメージと違うといって辞める人もいるようです。
ー実際そのような仕事をしてどう感じていますか?
私は、給料に反映されていれば良いと割り切っています。
こういった仕事内容は、インターンに行っていたから分かっていた部分もあります。
私が参加した1週間から2週間の長いインターンだと、社員さんと仲良くなって、本音の部分が聞くことができました。
学生側も内情をちゃんと知るためには、長期のインターンに行ったり、何回も参加したりして、社員さんとの関係性を築くことが大事かなと思います。
今の仕事に決めた理由
お金・安定・大手っていう理由で選んだというのが本音
ーどういう基準で会社を選びましたか?
お金・安定・大手っていう理由で選んだというのが本音です。就活するときはもちろんそんなこと言えないので、やりがいとか達成感と言っていました。
大手といっても、企業によって強みや、カラーがそれぞれ違いますし、社員の雰囲気も違うので、そこを見極めて自分にあったところを見つけようと努力していました。
大手でもいつ潰れるか分からない時代なので、企業分析をして「一番生き残れるのはどこなのか?」と予想したりしていました。
ー大手以外に就職する選択肢はありませんでしたか?
大手並みの給料を出していることや将来性のある中小企業もありますが、その選択肢はありませんでした。一応そういう会社のインターンにもちゃんと参加して確かめた上で、大手に行きたいと決めました。
大手は資本力があるからやりたいことができ、アイデアを実現できる可能性が高いと思ったんです。一般的な中小のイメージだと、人数が少ないから意見が通りやすいように見えますが、そもそも意見が通ってとしても実現するための資金力がないから難しいこともあるはずです。大手だからがんじがらめで何もできないというわけではないという認識でした。
印象的なインターン
インターンで本音の部分が聞けて良かった
ーどんなインターンが印象に残っていますか?
ただプロジェクターの前で説明を行うだけでなく、社員と現場を見学できたり、対談できたりする時間があると、本音の部分が聞けて良かったです。
社員の人もリラックスしていて、中には「あんまり言ってはダメなんじゃないかな?」と思うことことも教えてくれた印象があります。そういう空気だからこそ、学生が本当に知りたいことが聞くことができました。
ーマイナスな部分を隠す企業より、そういった面もオープンに話す企業の方が良いということですか?
とある企業が、説明会の中で「こういうところは良いけど、悪いところもある」という説明をしていて、信頼できるという印象を持ちました。
就職後のギャップに苦しまなくて済むし、企業側も採用のミスが減ると思うので、大切だと思います。
就職活動を振り返って
就職活動に、もっと早く動けばよかった
ー就活を振り返って、もっとこうしておけば良かったという反省点はありますか?
もっと早く動けばよかったと思います。当時は早く動いたつもりでしたが、もっと早く動き始めた同期もいましたし、早ければ早いほど就活は有利になる気がします。
あと、単純にSPIとかで落ちたらもったいないので、そういうのはもっと早くやっとけばよかったです。
あとは、面接の練習ですね。気になる企業の面接を積極的に受けてみたり、学校の先生や就職支援室を活用するのが良いのではないかと思います。
ー就活は具体的にいつ頃から動き始めていましたか?
3年生の夏にインターンに行ったのが最初です。
冬にもインターンに行って、そこからオファーをいただき、採用が動き始めていました。
一度インターンに参加した企業でも、自分が入りたいと思ったところは2回目も3回目も参加していました。社員さんに顔を覚えてもらえるので、意外とそういう戦法はありだと思います。
内定が出るまでは不安だった
ー逆に、就活において企業側に求めることはなんですか?
僕が就活していた当時は、10月にならないと内定出しちゃダメな時代だったんです。
一応社員さんには3月とか4月に『ほぼ大丈夫だよ』と言われるのですが、その間は不安でした。
会社側は、良い人が欲しいなら早めに内々定など何か安心させるものを提示するべきだと思いました。就活ルールも変わりましたし、学生側に曖昧な表現じゃなくてちゃんと安心感を与えてあげるっていうのが大切だと思います。
あとは長いインターンだと、その間の宿泊費とかそこまでの往復の交通費だとか全部自腹なので、それが結構負担になっていました。
選考が始まったらちゃんと出る会社が多いですが、インターンの時も出してくれたら助かっていましたね。
福利厚生に関しては、住宅手当などの情報はちゃんと知りたかったです。基本入社してからでないとわからないので、インターンの時から知れたらありがたいです。
これからの建築業界について
ー建築業界で、もっとこうなっていけば良いのにと思うことはありますか?
IT系のことは、これまで建設業は取り入れられてこなかったですが、これから絶対取り入れるべきだと思っています。2024年から、建設業界でも残業が45時間までになってくるので、業務をITで、という動きは必要になってくるはずです。
例えばクレーンを遠隔で操作したり、ロボットを使ったり、ITゼネコンと言われるものです。コロナの影響もあり、そういう部分では良い風は吹き始めてるなと思います。
今回は大手ゼネコンで働くS・Yさんのインタビューをお届けしました。
地方の建築学生だったS・Yさんがインターンに参加した際に「宿泊費や旅費などが大変だったこと」や、内定がでるまで「不安な期間があったこと」、「企業の悪い部分をあえて話してくれた企業を最終的に選んだこと」など、リアルな意見をお聞きすることができました。
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