新社会人インタビュー Vol.3『より具体的な内容のコミュニケーションが大切』
学生時代は様々な業界の就職活動を経験し、多角的に視野を広げながら、最終的に大手ゼネコンの設計への就職を決めた稲田浩也さん。
様々な経験を積んだ稲田さんが今の仕事について悩んでいること、印象的なインターンについてなどを伺いました。
インタビュー対象者プロフィール
【名前】 稲田 浩也
【年齢】26
【最終学歴】 京都大学大学院工学研究科建築学専攻
【所属】 株式会社大林組
現在の仕事について
まだまだ自主性を求められる場面は少ない
ー 今どんな仕事をしていますか?
現在は、設計本部に所属しつつ、現場のことを学ぶために研修として建築本部の兼務先に出向いています。
研修の期間は入社後半年間、研修の場所は工事現場で、上司の業務のフォローや補助を中心に行っています。
ー会社に入る前と入った後で、何かイメージは変わりましたか?
大学時代に論文を執筆する際や設計を行う際は、新規性のあるものが重要だと言われたりしました。
しかし、就職して大きな組織の末端になってみると、現状は定型的な業務が多いという印象はあります。
研修中だということもありますが、まだまだ自主性を求められる場面が少ないです。
ここは設計本部に戻ってみないとわからないですね。
また、現状BIMモデルを業務基盤として一貫利用し業務を進めていますが、まだ一部の現場では紙で行っているため、煩雑になりミスが起こることがあります。
そのため、大学時代に行っていたチャットを中心としたコミュニケーションを、社内でも今以上に利用していくべきではないかと思う場面があります。
今の仕事に決めた理由
建築業界の外から働き掛けた方がいいことがあるかもしれない
ーどういう基準で会社を選んでいて、何社くらい選考を受けましたか?
恐らく、一般的な設計を目指す建築学生とは違って、建築系以外の企業のインターンにも参加していたんです。
大学院に入ってすぐの4月5月くらいから、就職活動に近いことを始めました。
例えば、ベンチャー企業やコンサル系の企業も含めて、建築以外の業界へも積極的に就職活動をしました。
ー建築以外の企業を選んでいた理由はなんですか?
就職活動の機会でないと、様々な業界の会社の話は聞けない、という思いがありました。
建築業界の生産性が上がらない中で、外から業界に対して働き掛けをした方が建築界全体にとっていいことがあるのではないかという考えもありました。
そういう事も考えつつも、就職活動を経て最終的には設計の道に進みました。
ゼネコンへの入社は直感的に決めた
ー現在の会社に入社を決めた理由は?
直感的に決めました。
当時の副本部長が、ゼネコンらしからぬ人というか、サングラスをかけていたり、下がジーパンだったりして面白い人だったんです。
僕も話しやすくて「建設業はもっとこうなった方がいい」とか、「こういう技術を使ってもっとこうしたらいい」という深い話をする機会があったんです。
そしたら、「君、おもしろいね」「じゃ、君、合格」と言われて。
立場が上の人にも、こういう人がいる会社の方が面白いと思ったんです。
学生が「こうやりたい」という話を聞いてくれて、「うちの会社だったらこういう部署で、こういうことを何年かやって、最終的にこれができるようになるんじゃないか」みたいな話をしてくれることがとても良い印象でした。
印象的なインターン
コンサル会社のインターンは好印象だった
ー就職活動を進めていくにあたって、自分の考え方や動き方に影響を与えましたか?
結構影響を受けています。未だににコンサル会社のインターンに参加した際の資料を持ってます。そのインターンでは、メンターがついてくれて、進捗を見て終わり際にはフィードバックシートが返ってきて、すごく好印象でした。
ーコンサル会社と建築業界のインターンの違いはありましたか?
そうですね、外資コンサル業界では、サマーインターンの中で採用活動のようなものがあるようです。
一方、建設業界ではインターンのみをやりっぱなしで、その後のコミュニケーションがないところがあります。
会社によっては、優秀賞はレストランのチケットをもらえるなどモチベーションが上がる取り組みもあるのですが…。
企業に対して思うこと
採用前に具体的なコミュニケーションをとった方がいい
ー企業側に対して、もっとこういう取り組みをやってほしいと思うことはありましたか?
1つは、ちゃんと利益を生んで欲しいという思いがあります。企業活動として利益を生んでいて成長している会社でないと、学生は来ないと思います。
あとは、学生の話を聞いて「うちだったらこうできるんだ」や「うちはちょっとそういうのやってないよ」といった、具体的なコミュニケーションをとった方がいいと思います。
学生にとっても企業にとっても、意志にそぐわない就職を避けるために必要ですよね。
また人事の評価軸として、今年はこの人数という「採用人数」で測っていると思うのですが、それは良いかは疑問です。
採用人数を評価軸にすると、「うちの会社いいよ、おいで」と採用した結果、3年ぐらいで辞めてしまうことがあれば、会社としてもよくないと思います。
そうではなく、何年間の「人材定着率」や「退職率」など、そういった基準で測った方がいいのではないかと考えています。
今回は大林組で働く稲田 浩也さんにお話を伺いました。
実際に働く中で感じた業務不良への考えや、直感で入社を決めた際のエピソードなど、興味深いものがありました。
また、採用活動における具体的なコミュニケーションや評価軸についての考えも伺うことができました。
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