建築学生インタビュー Vol.5『中小企業の情報は集めにくく、具体的なイメージ湧かない』

神戸芸術工科大学に通う嶋田雄大さん。
今回は、就活ではなく大学院への進学を選択した嶋田さんに、進学の道を選んだ理由やインターンについての考えを伺いました。
【名前】 嶋田雄大(しまだゆうだい)
【年齢】 22歳
【所属】 神戸芸術工科大学 4年生
これからの進路について
就活はせず、来年は大学院に進学する
―進路について、どう考えられていますか?
現在は大学で建築の選考をしていて就活はしていません。
今興味があるのは匠飾設計と人口知能を掛け合わせたコンピューテーショナルデザインの職です。
ただ、現在大学で勉強している建築の分野外の知識が必要になるため、来年には大学院に進学し、AIなどの分野を学びたいと考えています。
―そもそも、なぜ意匠設計に興味を持ったのですか?
1番の理由は、楽しいからです。
学校の課題を通して、意匠設計が好きということが分かりました。
それがきっかけです。
それに加えて、自分は数学系があまり得意ではなく、数式を使う構造・環境設計は選択肢から外しました。
建築業界には、他にも施工管理やディベロッパーとかの職業がありますが、自分に向いてないと思ったんです。
特に施工管理は、体育会系過ぎる現場のように感じました。実際の様子を見ましたが、労働環境がマッチしないと感じました。
やっぱり、意匠設計を仕事にしたいと思います。
就活で困っていること
中小企業の情報は集めにくく、具体的なイメージ湧かない
―就活について何か動き始めてるのですか?
大学院進学予定のため、就活自体は本格的に始めていません。
でも、会社説明会には行ったり、会社の情報収集はしています。
―「建築業界の就職」のイメージはつきますか?
建築業界全体では、労働時間は長いイメージです。
あとは、就職先によるかなという感じです。
アトリエだったら、「月7万円しかもらえない」という話を聞いた事があります。
ただ知人の話を聞いたり、SNSで情報を見たりすると、多くの会社が建築業界の悪いイメージを変えたい、という動きが始まっていると思います。
―現在、就活で困っていることはありますか?
大企業は調べればたくさんの情報が出てくるので、基本情報の収集はできます。
一番困っているのは、中小企業の情報です。
ネットで検索しても、情報が更新されてないことが多いです。あとは、説明会の内容も抽象的な感じがします。
例えば、「弊社はお客様のために良い建築をします」と言われても、具体的なイメージ湧かないです。もっと数値で表してくれたり、その会社ならではの強みを言ってくれたりしてほしい。そういう中小企業が少ない様に思います。
―どうして具体的な話が聞きたいのですか?
会社で学びたい・やりたい分野とマッチするか、判断する材料になるからです。
私であれば、コンピューテーショナルデザイン関係の職に就きたいので、最先端の技術を取り入れている会社を選びたいです。
説明会で「新しいテクノロジーを駆使して」と言われたら、自分に合う会社かもと思います。
インターンシップよりアルバイト?
建築業界のアルバイトはインターンより魅力的
―インターンシップは行きましたか?
インターンシップは行ってないです。あんまり興味ないです。
作業員としてのインターンシップに行くなら、建築系のバイトした方が良いと思います。
実際、私は構造・環境設計関係の建築アルバイトをしています。
―インターンシップより、アルバイトの方が良いのですか?
短期のインターンシップだと無給、それに比べてアルバイトは給与が発生します。お給料もらえるということは、責任があります。上司から的確なアドバイスをもらるので、結構勉強になることも多々あります。
もちろん、給与が発生する長期インターンにしても良かったのですが、拘束や規約があるので応募しませんでした。
例えば長期インターンで半年契約をしても、途中でやりたいことが変わったらモチベーションが維持できなくなります。
しかしアルバイトであれば、比較的簡単に辞める事が可能なので良いです。
―どんなインターンシップなら行きたくなりますか?
グループで話し合ったり、プレゼンしたり、社員の方からフィードバックいただけるようなインターンシップなら良いです。
あとは、懇親会で社員の方とざっくばらんにお話する機会があれば、とても嬉しいです。
新型コロナウイルスの影響
コロナ禍の就活では採用枠に不安
―コロナ禍で、就活に対する意識は変わりましたか?
今年の夏前に行われる予定の合同説明会、多くが開催中止になった事は印象的でした。
でも自分は2023卒の就活生なので、まだ直接的な打撃は受けていません。
来年までには、オンラインでの説明会体制や就活環境も整ってそうです。
ただ不安に思うのは、就職口が狭くなったことです。
やはり採用人数が減っている傾向にあります。
コロナ不況の中なので、仕方ないとは思っています。
ただ、焦り自体は無いです。
コロナの影響で授業がオンラインになり、通学時間を勉強時間に当てることができています。
この隙間だった時間を活用する人・しない人で大きな差が生まれると思います。自分は就活対策をしているので、有利な方だと考えています。
最後に建築業界に関して伝えたいこと
―最後に建築業界の就職に関して伝えたいことはありますか?
給与の問題は解決すべきだと思います。労働時間が長いのは、仕事なので良いと思います。
しかし、それに見合わない給料だと厳しいです。
大手以外のアトリエ、中小企業がもっと良い環境になれば良いと思います。
これから働くために、モチベーションが維持できる職場が増えれば嬉しいです。
今回は、現役の建築大学生にインタビューをしました。
大学院進学という事で、就活に対しての焦りや緊張感は少ないようでしたが、事前準備はしっかりされているみたいです。
特に、会社の情報収集など基本的な事をされている感じでした。
また、将来仕事にしたい意匠設計者の話が聞けたり、グループワークに対してフィードバックがもらえるインターンシップが、学生に直接受けそうでした。
今後は、コロナ禍で環境が変化する中、就活も柔軟に対応することが求められます。
特に2023卒以降の就活生は、今年のオンライン就活を経ているからこそ、次年度はそこそこ良い状況で行われる、ということを期待していそうです。
BEAVERでは建築学生の採用に関する情報を発信しております。
更新情報のチェックのため、ぜひ下記ボタンよりメルマガ登録をお願い致します!