建築学生インタビュー Vol.2『企業は、どんな人材を求めているのかを明確に出して欲しい』

高等専門学校から北海道大学 大学院に進学した大沼さん。就活ではなく、進学を選んだ理由は?

「こんなインターン・就活があれば良いのに!」という、現役学生ならではの斬新な意見も伺いました。

 


インタビュー対象者プロフィール

【名前】 大沼亮太郎 (おおぬまりょうたろう)

【年齢】 23歳

【所属】北海道大学大学院工学院建築都市空間デザイン専攻 修士課程(1年) 建築計画学研究室所属


 

進路についてのイメージ

将来は建設コンサル業界を志望

 

ー 将来はどんな道に進みたいと考えていますか?

就職は、建設コンサル業界を志望しています。将来的には、自分の研究をそのまま職業に活かしたいと考えていて、劇場設計を中心とした地域づくりに関わっていきたいと思っています。

 

ー建設コンサル業界ついてどんな印象を持っていますか?

ここ最近、短期インターンに行ったのですが、まだ仕事の中身が分かり切っていないです。

設計職や施工職のインターンでは成果物がありますが、コンサル職はプロジェクトの中のマネジメントが主になるので、結果が分かりにくいところがあるんです。正直まだ、やりがいを完全に理解できていないところもあります。

しかし、実際にインターンを経験して、自分の専門性を活かして中核を担える部分もあるという印象も持つようになりました。

 

新型コロナウィルスによる影響

オンライン授業の状況をポジティブに捉える

 

ーコロナの影響により、学校生活はどう変わりましたか?

オンライン授業が始まり学校に行かなくなったので、学校の役割について考えるようになりました。今までは通学するのが当たり前でしたが、学ぶべきことや大学が学生に提供するべきことは何か考えるようになりました。

学校の近くに住まなくてよくなり、住環境を自由に決められるようになりました。実際、今の生活の拠点は学校の隣町のシェアハウスです。同じコースの建築学生5名と住んでいます。

 

全員の意識として、学校に通えなくなった状況をポジティブに捉えようという思いがあります。

そんな意識から、シェアハウスのメンバーで空き家を回収するプロジェクトを立ちあげました。

学校で学んだことを現場で活かしてものづくりを行い、社会の状況を理解していこうと思います。

 

オンライン授業のマイナス面では、リアルなコミュニケーションが取れなくなった事は大きいです。同期とも合えないまま、授業で図面広げて模型作って議論したくてもできないのがもどかしく思います。

 

今までの就活とこれからの就活

今までは専門性を得るために進学

 

ー高等専門学校出身で、5年生卒業時と専攻科卒業時2回の就職のタイミングがあったと思うのですが、進学を選んだ動機はなんですか?

就職をするにあたって、専門性を活かしたいという思いが強くありました。今までの就職のタイミングでは、まだ専門性が足りない認識があり、学を深めるという意味で進学を選びました。

将来的には設計職を希望しているのですが、「院卒ではないと就職が厳しい」と言われる程、より専門性を深められる場所だと思い進学を決めました。

また、大学院では同じ関心をもって集まっている人たちと議論していけることに価値を感じています。

 

ーコロナによる就活の影響はあると思いますか?

コロナ禍だからこそ、人がやらないことに力を入れているからこそ、強みになるのではないかと感じています。

ネガティブな状況をポジティブに考える力があるとアピールしていけるのは大きいです。

 

ただ、東京本社のインターンが延期になり、地元の札幌支社に変更になったこともあります。本当に行きたい部署に行くことはできなかったですが、対面のインターンに通えているだけでありがたいと思っています。

 

どんな人材を求めているのかを明確に出して欲しい

 

ー今はどんなインターンに参加していますか?

現在、インターンには2社参加しています。

1社目はネットに上がっている就活情報サイトから、インターンを公募で応募し、2社目は研究室の先輩が入っていて、繋いでもらって参加しました。

 

学生を、いち社員として見てもらえる会社にやりがいを感じます

「インターンの学生はコマじゃない」「インターンなのにお金も払わずに業務を任せるのはどうなのか?」という人もいますが、僕は逆にインターン用のプログラムを用意されるよりも、より職場の空気を感じるための体験ができた方が良いと思っています。

インターンでやったものが、会社の成果物として世に出るなど、責任感を感じることも大切だと考えています。

 

ーインターンに参加する上で大切にしているポイントはなんですか?

前提として、会社の理念に共感できるかどうかは重要視しています。

あとは、どんな人材を求めているのかを明確に出して欲しいと思うことがあります。例えば、コミュニケーション能力を重視しますという場合、具体的にどんな意図があって載せているのか知りたいです。

例えば「専門性を持った人」であれば、知識を持ってればよいのか、実際手を動かして業務をすることなのかなどを具体的に提示してもらった方が、企業を選ぶ時に分かりやすいです。

 

ーインターンや就活での悩みはありますか?

やはり地方に住んでいることはネックに感じています。

建設業界は東京が強いので、飛行機代や宿代食費など、学生の立場でやり繰りするのが大変です。

2週間のインターン1回行くだけで10万はかかってしまうので、交通費と宿代が出るインターンがあれば有難いですね。

就活を有意義に進めるためにも、インターンの奨学金みたいなものがあれば良いなと思っています。

 

また、コロナの影響でウェブ面接が増えているものの、インターンはやっぱりリアルで体験したいと思っています。

反対にポジティブな見方をすれば、就活をオンラインで進められるのは、地方の学生も地域関係なく同じ土俵で戦えるので助かるところだと思っています。

 

建築業界に対して思うこと

地方の企業は「幅広い業務を体験できること」

を押し出してみると魅力的

 

ー北海道大学在学中とのことですが、地方の企業が盛り上がるにはどうしたらよいと思いますか?

首都圏は人材が沢山そろっているから、エキスパートが必要とされている環境だと思います。

それに対して、地方は人がいない、お金がないため、一人が担う仕事の幅が広く、幅広い知識が必要とされていると思っています。

幅広い業務が苦手な人もいるかと思いますが、インターンの募集で「幅広い業務を体験できること」を押し出してみると面白いと思います。

また、北海道に関しては、建物の構造が本州とまったく違います。北海道の人は、地元で専門的な知識を持った人に就職してほしいという気持ちはあるはずです。

このように、地方でも専門性を活かせる企業は学生にとって魅力的だと思います。

 

ー就活について、学生の立場で求めることは?

個人的な意見ですが、野球のドラフト会議みたいなものを建築業界でもやってほしいです。

設計部門、施工部門、コンサル部門などで、成果物を集めるプラットフォームを作って、企業が指名していくような就活があったら面白いなと思います。

 

また、グループ面接のようなものがあれば良いかと思います。設計はグループで進めるものなので、2人組で履歴書を出して面接を受けに行くことも面白いのではないでしょうか。

個人だと弱いとしても、グループだと強みを活かせる学生もいるはずだと思っています。

 

僕が感じていることですが、今学生は試験に向かって帳尻合わせで頑張るゲームのようになっています。

そういう頑張り方をする人が、企業にとって必要なのか疑問を感じています。

そんな方法に問題意識を持つ企業が出てきてもよいと思います。長期的に頑張れる学生を採用することができれば建築業界にとって良い風潮が生まれるのではと思います。

 


今回は、大学院1年生の大沼亮太郎さんにインタビューを行いました。

さらに専門性を高めるために大学院へ進学を決めた理由、そしてインターンや就活に対して「会社の理念に共感するのが重要」「幅広い業務を経験したい」などの興味深い意見をいただきました。

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